2009年07月03日

00.社会

水軒堤防に現代に匹敵する土木技術

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新たに発見された基底部の胴木 (県文化財センター提供)

和歌山市西浜の県指定史跡 「水軒堤防」 の発掘調査で、 堤防の最下部に全国的にも例のない土台木が設置されていることが明らかとなり、 県文化財センターは3、 4日に現地で一般公開する。 同センターは 「上部の石積みとともに、 基底部でも現代の堤防に匹敵する非常に高い土木技術が用いられている」 としている。 両日とも午後1時から4時。

水軒堤防は江戸時代に造られた石積みの堤防で全長約1キロ、 高さ約4メートル。 今回の調査場所は和歌山工業高校の西浜交差点から西400メートルの所で、 同堤防のほぼ中央付近にあたる。
同センターによると、 石堤海側の基底部に設置されていた 「胴木」 と呼ばれる土台木を初めて確認。 基礎地盤を締め固める土台木は直径約15センチで、 30センチ間隔に打ち込まれた木杭で抜け出さないように固定されている。
また、 基底部では約1メートル幅で階段状に海側に下っている大規模な石敷が4段あることも確認。 各段の西側の石は胴木と同様に木杭で固定されている。 石敷は、 波浪で基底下部の砂が流れ出し堤防が崩壊することを防ぐためで現代の堤防構造にも共通するという。
現場では、 過去の工事で石堤が破壊されたため、 その断面形状を見ることもできる。 城石垣の築造技術を利用した海側の和泉砂岩は表面の長さ30センチ、 奥行き80センチで 「外から見た印象と全く異なる断面は壮観」 としている。



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