小中学校の校舎統合へ 紀美野町毛原地区

地域に親しまれてきた毛原小の長い廊下

 紀美野町立毛原小学校(同町毛原中)と長谷毛原中学校(同町毛原宮)の校舎を、同中の校舎に統合させる動きが進んでいる。町は16日午後7時半から同中で説明会を開く。地域住民の同意が得られれば、早ければ来年春から小中学生が同じ校舎で学ぶことになる。これまで同小の校舎が未耐震であることや、少子高齢化などの背景から、地元から要望が上がっていた。
 同小は明治8年(1875年)、旧美里町小西の円長庵を学舎にして開校。昭和28年7月18日、県中部を襲った「紀州大水害」の影響で校舎が流失したため、翌年に新校舎を建設し、現在に至る。校舎は木造1階建て。約70㍍の縦長の廊下が特徴で、住民らに地域のシンボルとして親しまれてきた。
 現在小学校に16人、中学校に5人が通っている。地域ではIターン者を増やそうと、小中学校を窓口として、家族ごと同地域に住んでもらう「家族留学」など、過疎化の歯止め対策も独自に行っている。
 ことし9月には橋本市から2家族が移住し、児童数も4人増えた。しかし、児童生徒数は年々減っているのが現状という。
 残った小学校の校舎の活用については未定。地域からは「思い出がたくさんある校舎なので、何らかの行事で使ってほしい」「廊下など建造物的にも珍しいため、文化財などで指定できないか」といった声も上がっている。