津波に備え 巽小中が初の集団下校

 児童生徒に 「自助・共助」 の意識を高めてもらおうと、 海南市重根の市立巽小学校 (上岡旭校長、 児童352人) と同市阪井の市立巽中学校 (岩井幹雄校長、 生徒153人) は、 初めて小中合同集団下校を行った。 東日本大震災の教訓を踏まえた防災教育の一環で、 生徒が児童を先導して一緒に下校し、 助け合いの大切さを学んだ。

 全校児童生徒約500人が参加。 市の避難所に指定されている同中学校は、 グラウンドが海抜約67㍍と高台にあるが、 海岸から直線距離で約4㌔の地点にあり、 津波が到達する可能性はゼロではないという。 東日本大震災時、 岩手県釜石市で、 中学生が小学生を誘導し、 迅速に避難したことで命が助かった例もある。 自分の命を自分で守る 「自助」 と、 周りと助け合う 「共助」 の意識を子どもの頃から徹底しようと試験的に行った。

 集団下校は、 地区別など17ブロックに分かれて実施。 中学校を出発した生徒らが小学校で児童と合流した。 生徒らは歩くスピードや安全面に気を付けながら、 先頭、 最後尾などにそれぞれ付き、 児童を誘導。 車が来た時は 「車が来たぞ、 危ないぞ」 などと声を掛け、 児童らを自宅周辺まで送り届けた。

 2年生で生徒会長の坂本紘太君 (14) は 「子どもらの歩く速度が違ったりしてなかなか難しかったけど、 ためになった。 いざという時は自分たちで助け合っていきたい」 と話していた。