完了は全箇所の1割 「土砂災害警戒区域」指定
台風12号で約670件の土砂災害が発生した県で、 土砂災害の恐れがある場所に対し、 住民の避難態勢を整備する 「土砂災害警戒区域」 の指定が11月末現在、 全箇所の約1割にとどまっていることが分かった。 同区域の指定は、 現地調査を経て市町村の合意を得なければならず、 県によると進み具合は全国的に見て遅れているという。 県砂防課は 「基礎調査や、 指定に向けて住民の意見を聞くにはマンパワーの限界もある」 と話している。
7日の県議会定例会で多田純一議員 (公明) の一般質問に森勝彦県土整備部長が答えた。
土砂災害防止法が平成17年に改正され、 同区域の指定を受けた市町村では、 「土砂災害ハザードマップ」 の作成・公表が義務づけられた。
同課によると、 県内で土砂災害が発生する恐れがある 「土砂災害危険箇所」 は約1万8400カ所で、 全国で6番目に多いという。 県は平成16年から同箇所の現地調査をスタート。 11月中旬までに約4400カ所の調査を終えているが、 警戒区域、 特別警戒区域の指定は2061カ所にとどまっている。
また、 同区域の指定を受けた15市町村のうち、 9市町村で同マップの作成が完了していないという。
今回の台風12号の被害により、 土砂災害危険箇所とされていない場所16カ所でも土砂災害が発生している。