3連動地震に備え研修会 海南市

 海南市船尾の黒江防災コミュニティセンターで17日、防災研修会「大震災から学ぶ」が開かれ、住民ら約100人が防災意識を高め合った。

 市の防災事業の一環で、近い将来発生が予想される「東海・東南海・南海地震」の3連動地震に備え、阪神・淡路大震災、東日本大震災からの教訓を受け継いでいくことが目的。この日は、神戸市の防災研究機関「人と防災未来センター」主任研究員で、津波防災や巨大災害が専門の奥村与志弘さん(31)が講演した。

 奥村さんは、東日本大震災では避難者が最大約50万人になり、寒さで死者が出ることもあったとし、これを3連動地震に当てはめると、約500万人の避難者が想定され、救助活動などは東日本大震災に比べて10分の1になると予想した。ほとんどの人は自分らで生き延びなければならないとし、「庁舎や学校など生活拠点が被災しても対応できるように取り組む必要がある」と語った。

 また、後半は持ち出し品に関するワークショップが開かれ、被災者の体験を基に非常用と普段用など自分たちに合った持ち出し品を考え合った。