和歌浦の景観考えるワークショップスタート
和歌山市の雑賀崎・田野・和歌浦地区を市景観計画の景観重点地区に指定するために、 地区内のさまざまな景観について話し合う 「景観まちづくりワークショップ」 が21日、 同市和歌浦南の和歌の浦アート・キューブで開かれた。 地元住民の他、 大学生や市の職員ら約40人が 「好きな景観」 などを挙げながら、 景観について理解を深めた。 今後ワークショップは毎月1回開き、 7月ごろに意見をまとめ、 市景観審議会に諮るという。
市は昨年12月に景観計画を策定。 一定規模以上の建築物を建てる場合に届出を求めることや、 和歌山城周辺を景観重点地区に指定し、 建物の高さを制限することなどを定めている。 今後は国の名勝に指定されている和歌浦周辺を景観重点地区に指定する予定だ。
この日は、 市景観審議会委員も務める大阪府立大学准教授の下村泰彦さんが 「景観まちづくりに向けて」 をテーマにミニ講演を行い、 「歴史ある景観を守るために、 建物の高さや色などについてルールを決める必要がある。 次世代に残せるように取り組むのが景観まちづくりだ」 と説明した。
参加者たちはグループに分かれて 「好きな景観」 と 「問題がある景観」 について意見を交換。好きな景観には、 和歌浦湾の干潟や、奠供山(てんぐやま)からの眺望、 番所庭園、蓬莱(ほうらい)岩などが挙がり、 問題のある景観には、 使われなくなった旅館や廃墟を指摘する声が多かった。
市は 「このワークショップをきっかけに継続して話し合う場づくりをしたい」 としている。