和歌浦の天然アサリ ネット下で順調に増加

 和歌山市などが片男波潮干狩り場(同市和歌浦南)の干潟に防護ネットを張って実施している天然アサリの増減調査で、ネット内のアサリの総数(総重量)が、ネットを敷設した平成22年3月(ゼロ)から順調に増え、2㌧を超えたことが分かった。潮干狩りはことしも行わないが、市などは和歌浦のアサリを新名産として売り出していく方針を固めており、今後の展開が注目されそうだ。

 市などはアサリが消えた原因を、アサリを食べるツメタガイやエイなどの「食害説」か、干潟の栄養状態などが変わったことによる「環境変化説」かを裏付けるため、平成21年から本格的に調査してきた。

 干潟にネット(10㍍四方など)を敷設して、その中でアサリの生育を見守った。すると、ネット下ではアサリが増えていることが分かり、「食害説」であることがほぼ確定。

 そして、昨年10月の調査では総数が2㌧を超えていることが判明した。ことし1月の調査では1個当たりの平均重量が8~9㌘で、殻長3・2~3・5㌢まで大きくなっていた。同時にハマグリも多数生育していたという。今後もネットの数を増やしていくという。

 しかし、現在の量で潮干狩りを実施すれば「あっという間になくなってしまう」(農林水産課)ため、潮干狩りは実施しない。その代わり、和歌浦の新名産として売り出す方針で、いずれは旅館などで提供できるようにし、一般への販売も考えているという。