過去10年で最多水準 児童虐待相談
県子ども未来課によると、 本年度、 県内の児童相談所などに寄せられた児童虐待の相談件数は、 514件(12月末現在)となり、 過去10年間で最多で推移しているという。 県は新年度から、 子ども・女性・障害者相談センター(和歌山市毛見)に 「虐待対応課」 を新設し、 虐待の芽を摘むための各種育児講座から虐待発覚後のアフターケアまで、 切れ目のない支援に乗り出す。
県内の児童虐待相談件数は年々増加しており、 昨年度は前年度比180件増の640件と急増した。 同年度は大阪市西区で、 育児放棄により児童2人が死亡する事件が発生。 例年、 相談件数は夏休みと11月の 「児童虐待防止推進月間」 に増える傾向にあり、 同事件が夏休みに発生したことから、 例年に輪を掛けて急増したと同課はみている。 県内での児童の虐待死は平成21年に2件発生して以降、 発生はない。
これまで同センターでは子ども相談課で通報を受けており、 初期対応と、 虐待発覚後の支援などは別の職員が担当していた。 虐待相談件数が急増する中、 虐待の通報受理から在宅支援まで一環して対応するため、 新年度から課を新設し、 保育士や社会福祉士など福祉専門職の職員を充実させる。 また、 虐待防止に力を入れるため、 市町村や各種団体と連携し、 保護者を対象にした育児に関する講習などを強化する。
同課は 「虐待が起きてからの支援も大切だが、 保護者の教育など予防面も手厚くし、 虐待に歯止めを掛けていきたい」 と話している。