「世界ジオパーク」認定目指す 和歌山県
日本地質百選に選ばれている古座川町の「一枚岩」や「虫食い岩」など、地質遺産に恵まれた紀南地域を自然公園「世界ジオパーク」に認定させようと、県は本格的な取り組みを始める。認定されると観光客の増加などが期待でき、4年後の認定を目指す。6日の県議会定例会本会議で、保田栄一環境生活部長が濱口太史議員(自民)の一般質問に答えて分かった。
世界ジオパークとは、「世界ジオパークネットワーク(GGN)」が評価・認定するもの。現在、国内で認定を受けているのは、室戸(高知県)、洞爺湖・有珠山(北海道)など5地域。国内版の「日本ジオパーク」は20地域あり、日本ジオパーク認定申請を目指して活動しているのは11地域あるという。
県環境総務課によると、ジオパークへの認定申請には、市町村や商工会、観光協会などが連携し、「地域協議会」を立ち上げ、地域の自然や歴史などについて説明できるガイドの養成などの活動実績が必要。県は3月26日に紀南文化会館(田辺市)でジオパークの勉強会を初めて開催し、住民や関係団体への理解を呼び掛ける。来年度中の協議会立ち上げを目指し、現地の景勝地の解説板設置、景勝地を結んでの「ジオツアー」の開催など、認定に向けて活動を広げる予定。
世界ジオパークの認定を受けるには、日本ジオパークに加盟し、推薦を受ける必要があり、推薦は年に2地域と決まっている。そのため、和歌山が世界ジオパークの認定を受けるには、各種申請業務を考えると最短で4年という。
仁坂知事は「ブランドを付けてPRするのは得だし、どんどんやっていきたい。住民の防災意識の高揚にもつながり、地元価値の再発見にもなる」、保田部長は「大変厳しい道だが、4年後を目標に頑張っていきたい」と述べた。