粉河祭の昔のだんじり緞帳見つかる

 紀州三大祭り 「粉河祭」 の昔のだんじり復活に向け取り組んでいる紀の川市粉河の自営業、小畑雅行さん(58)が、 なくなったとされていた地元「天福町」 のだんじり緞帳(どんちょう)4枚を約30年ぶりに発見した。

 緞帳はだんじり本体部分を覆う装飾の布。 主に本祭りでみこしを展示する際に付けられていた。 大きさは縦1・5㍍横2㍍。 刺繍 (ししゅう) は、 よった糸を使い、 馬や人を立体的に表現。 目の部分にガラスや、 金糸を使うなど豪華だ。

 江戸時代後期の書物 「紀伊國名所図会」 に描かれた模様とほぼ同じなため、 当時から受け継がれてきたものではないかとみられている。 地区住民宅に長期間保管されていたため傷みが目立つが今後、 京都の刺繍職人に依頼し修復を予定している。

 小畑さんは 「まちのだんじりでも緞帳が残っているのは3基ほど。 昔のだんじり復活に向けて一歩近づきました」 と話していた。