海南市が「軽トラ市」を毎月開催へ
海南市は13日から、 JR海南駅前で、 軽トラックの荷台で農産物や加工品を販売する 「軽トラ市」 をスタートする。 今後、 毎月第2日曜に開催。 行政主体で軽トラ市に取り組むのは県内で初めて。 全国的に広まる同形態を取り入れ、 地元産野菜の消費底上げに乗り出す。 初日の13日は、 午前9時~11時に開く。
同市では、 農林漁業のイベントとして毎年 「農林水産業祭り」 を開いている。 昨年49回目を迎えたが、 農業振興の面が薄れつつあるという声も出ていた。
同市産業振興課の職員は、 「農林漁業の振興の起爆剤となるイベントを」 と考え、 活気のある軽トラ市に目を付けた。 農家などに出店を呼び掛けるため、 2月から海南市内6地区で説明会を数回開催。 当初は年に4回を予定していたが、 農家側から 「毎月にした方がいい」 と意見があったという。
初日の13日は、 軽トラック約15台が出店。 同市内の農家や、 社団法人一峰会の作業所 「ぱん工房かたつむり」 (同市重根)や 「おかし工房桜和」 (同市野上新)が参加する。 旬の野菜であるキャベツやタマネギをはじめ、 トマト、 ハッサク、 甘夏、 その他、 タケノコの瓶詰めなどが出品される。
同市の専業農家、 岡本み智子さん(57)=大野中=、 松田吉恵さん(64)=同=、 奥博子さん(65)=幡川=は、 3人共同で1台の軽トラックを使って出店する。 出品する野菜が重ならないよう話し合っているという。 岡本さんと松田さんは10年ほど前から、 旧海南市内で野菜や果物を移動販売していたが、 体調を壊すなどして昨年休止した。 ピーク時は一人30軒ほど回っていたといい、 惜しまれる声も多かったという。 現在は、 近くのファーマーズマーケットなどで販売している。
トマトや甘夏などを出品する岡本さんは 「移動販売の時も口コミで広がったので、 駅利用者などに来てもらいたい。 市場を通さないため新鮮なものを提供できるし、 品ぞろえも期待できるのでは」、タマネギ、 ホウレンソウを出品する松田さんは 「対面販売はお客さんの反応が分かるから面白い。 また頑張って作らないとと気合が入ります」。
同課は 「地元でどういった野菜を作っているか知らない人も多い。 これを機に市内外から足を運んでもらえたら」 と話している。
問い合わせは同市産業振興課(℡073・483・8464)へ。