B型・C型肝炎の治療環境改善支援を要望

 市民団体 「すべての肝炎患者の救済を求める全国センター」 (本部=新潟市) と和歌山の会 (伊藤賢一代表) は2日、 B型・C型肝炎の患者が治療を受けやすい環境づくりの支援を求めて県健康推進課の田又宏昭課長 (55) らと話し合い、 仁坂吉伸県知事宛ての要望書を提出した。 県は要望に対し 「県にも医療費の補助はある。 活用してもらえるよう病気の早期発見ができる取り組みを進めていきたい」 と前向きに検討していく方針だ。

 B型、 C型肝炎は注射器の使い回し、輸血、 血液製剤などの医療行為が原因で感染する病気。 同団体は昨年8月末までに全都道府県で地域ごとの会を結成し、会員は約5600人となった。 患者や遺族の救済を目指して活動している。

 県では現在、 インターフェロン (注射による投薬) の補助や障害者手帳の交付、 B型・C型肝炎の医療費を一律1万円にするなどの取り組みを実施。 早期発見・治療ができるように医療機関と連携して無料で検査するなどしている。 しかし、 問題は治療が始まってからといい、同団体は仕事と治療の両立は 「難しい」と主張した。

 投薬を続けていると、 うつや倦怠(けんたい)感など40種類以上の副作用が現れるため、「体がだるくて仕事を続けられない」 「治療のために休むと迷惑が掛かる」 「働かなければ生活できず治療も受けられない」 といった理由で、 治療を断念する患者も多い。

 こうした負のスパイラルを食い止めたいと、 同団体は 「少しでも患者が安心して専門の医療を受けられるよう国と地方が連携して支援を」と訴えた。

 30年前から肝炎と闘い続けている伊藤代表(63)は 「いったん治ったと思っても再発する。 裁判の結果を待つだけではなく地方から国へ発信していけたら」 と話している。

 同団体への問い合わせ、相談は全国センターの児玉事務局長 (℡090・2450・7153)へ。