家庭は昨年比5倍の節電要請 和歌山県
今夏の節電について、県は家庭、オフィス(業務)、産業の3部門それぞれ15%以上の節電を目標とし、7月2日~9月7日の平日午前9時~午後8時の節電を要請する。目標に達しなければ突発的な停電を避けるため計画停電の怖れもある。特に家庭では昨年実績の約5倍の節電が必要としており、仁坂吉伸知事は29日、定例会見で「危機感を持ってほしい」と呼び掛けた。
家庭では昨年実績の5倍の取り組みとして、エアコン28度設定とプラス5%分の節電、電力ひっ迫時のエアコン停止などが必要。オフィスでは3倍の取り組みとして、執務エリア照明の50%削減とエアコン28度設定、電力ひっ迫時の追加行動などが必要になるとしている。
もし家庭が6%、オフィスが10%の節電しか達成できなかった場合、産業は27%の節電が必要になるという。その場合、県内産業全体でマイナス2047億円の影響が出るとし、労働力人口一人当たり約7万円の所得減少につながるとしている。
計画停電となった場合、医療機器(人工透析など)、上下水道、信号機、金融機関ATMへの影響が考えられる。また産業は生産活動の停止や、製造工程中であれば大量のガス発生による爆発の危険性、無菌室の無菌状態が保てないようになることなどが懸念される。
昨年の県内ピーク時(8月)の総電力量は前年同期より311万㌔㍗節電し、2784万㌔㍗となったが、前年より気温が低く、実質的な節電効果は全体でマイナス5%だったと推計される。