和歌山城バリアフリー化へ 市民団体が発足
和歌山城のバリアフリー化を第一歩に、高齢者や障害者をはじめ全ての人に配慮した和歌山市のまちづくりを目指す市民団体 「みんなにやさしい和歌山をつくる会」 (笹尾恭子代表)が発足し、8日午後1時からあいあいセンター(同市小人町)で設立会を開く。笹尾代表らが3日、市役所で記者会見し、市民の参加を呼び掛けた。
和歌山城は砂利道や石段など高齢者や障害者の通行が難しい箇所が多く、 特に天守閣に登るのは困難なのが現状。 同会は、 観光スポット、 市民憩いの場、 和歌山のシンボルである和歌山城のバリアフリー化に、 市民やNPO、 企業、 学校、 行政などが協力して携わることが 「みんなにやさしい和歌山」 をつくる第一歩になると、 設立趣意書につづっている。
脳性麻痺でスムーズな歩行が難しい笹尾代表が、 呼び掛け人の一人・川島寛子さんが運営する登城サポートで天守閣まで登ったことが、 設立のきっかけになった。
笹尾代表は、 数十年ぶりに天守閣に登れた喜びとともに、 スロープなどをより安全で使いやすく整備できないかと感じたという。
バリアフリー化を通して、 「和歌山城を起点に和歌山の活性化、 将来を考えるきっかけにしてもらえれば」 と笹尾代表は話し、 城を観光客のもてなし、 子どもたちの福祉教育の場などに活用したいとも語った。
川島さんも 「行政に要望するのではなく、 実現可能なものを考え、 具体的な提案をしていきたい」 と話している。
設立準備の段階から約20人が参加し、 約50人が入会を申し込んでいるという。
設立会では、 設立趣旨の説明があり、 副代表の建築家・橋本雅史さんが 「お城に登るバリアフリー・お城に入るバリアフリー」 のアイデアを提案する。 さらに、 災害時の避難場所としての和歌山城についても考えてもらおうと、 県広報課の中林憲一課長による講演がある。
問い合わせはキューブ建築研究所内の同会事務局(℡073・422・0451)へ。