形と色をテーマに 近代美術館で展覧会
形と色をテーマにした子どもも大人も楽しめる展覧会 「なつやすみの美術館2 かたちと色のABC」 が8月26日まで、 和歌山市吹上の県立近代美術館で開かれている。 複雑な図形を多くの色で塗り分け、 見ていると動き出すように見える絵▽絵なのに内部に空間がある作品▽平面に見える陶芸など、 だまし絵のような作品▽黄色い糸で曲線や曲面を作り出した作品など約130点が並んでいる。
特に、 同じパターンを色を変えて制作し、 きれいなだけでなく 「色とは何か、 作品自体を組み立てるものは何か」 と問い掛けるジョセフ・アルバースの作品44点が一堂に展示され、 大勢の興味を引いている。
同館の青木加苗学芸員 (34) は 「丸や四角などの図形や鮮やかな色の作品は、 目には楽しいけれど、 何を意味しているのかと聞かれると困ってしまうかもしれません。 ここでそういった作品にじっくりと向き合い、 たくさんの『分かる!』 を感じてもらえたら」 と話す。
また同展では、 作家自身の言葉も多数紹介している。 青木学芸員は 「ここ100年ほどの芸術家は、 2次元の絵に3次元の世界をうつし取ることは 『見せかけ』 ではないかと悩んできました。 せっかくの私たちの時代の美術です。 ただ感じるだけでなく、 作家たちが考えたことも知ってもらえたら」 と話している。
15日に講演会 アルバースと直接親交があった美術史家で、 アルバース財団理事長のニコラス・フォックス・ウェーバー氏が話す講演会 「アルバース、 その人と芸術」 が15日午後2時から、 同館2階ホールで開かれる。 聴講無料。 先着120人。
問い合わせは同館 (℡073・436・8690)。