政府の相互交流事業でメキシコへ 紀美野の小坂さん

 日本とメキシコ政府の相互交流事業「2011年度日墨戦略的グローバル・パートナーシップ研修計画」で、紀美野町下佐々の小坂友夏里さん(25)が20日から1年間研修生として派遣される。両国の相互理解と友好親善を進めるための交換留学。初めての長期海外生活へ「世界遺産や料理の文化、人との交流を深めてきたい」と期待に胸を膨らませ、「和の心や自然、文化財といった日本の魅力、紀美野、和歌山のいいところを伝えてきたい」と目を輝かせている。

 両国の戦略的グローバル・パートナーシップ強化に貢献できるような若手人材の育成へ研究、研さんを積む機会を提供する事業。1971年から続けられており、40期生となる今回は31人が派遣される。メキシコ合衆国シナロア州と友好提携を結んでいる県は2001年度から毎年1人を外務省に推薦。県の試験、外務省とメキシコ政府の審査を経て、小坂さんが選ばれた。

 小坂さんは野上小学校、野上中学校出身。和歌山信愛女子短期大学付属高校を卒業後、シンガポールに旅行し、海外に興味を持った。

 栃木・宇都宮大学国際学部国際社会学科で世界の情勢、経済、環境について勉強。2年の時に3週間のオーストラリア留学、3年の時に国際協力NGOサークルの活動で2週間のインド訪問を経験し、これまで米国、フランス、エジプト、カンボジア、ベトナム、中国、韓国の計10カ国を訪ねている。

 大学卒業後、臨時職員として海南保健所に勤務し、昨年6月から県のスペイン語講座を受講。持ち前のチャレンジ精神で自身初となるスペイン語圏への研修計画に応募した。県の講座に加え、2教室に通い、猛勉強。現地ではメキシコシティのメキシコ国立自治大学で語学や文化を学ぶ。

 出発を目前に控えて「将来したいと考えている国際的な仕事やボランティアに生かせられるよう、しっかりスペイン語を習得してきます」と抱負。「家族や周囲の方に支えていただいて得たチャンス。日本とメキシコとの絆を深める中で、より一回り成長してきたい」と張り切っている。