総選挙あす公示 県内は11陣営が準備
第46回衆院選が4日、 公示される。 政権交代から3年3カ月、 民主党が初めて与党として臨む総選挙は、 政権奪還を目指す自民・公明両党、 第三極をうかがう日本維新の会などの新興勢力を軸とする激しい戦いが、 県内でも予想される。 16日の投開票に向けて12日間の選挙戦がいよいよ始まる。
県内3小選挙区に立候補予定の顔ぶれは、 1区が民主前職の岸本周平(56)、 自民新人の門博文(47)、 共産新人の国重秀明(52)、 維新元職の林潤(40)、 2区が民主新人の坂口親宏(52)、 自民前職の石田真敏(60)、 共産新人の吉田雅哉(37)、 維新前職の阪口直人(49)、 3区が自民前職の二階俊博(73)、 共産新人の原矢寸久(61)、 維新新人の山下大輔(45)の各氏。
本紙エリアの1、 2区各陣営のこれまでの戦いを追った。
【1区】
岸本氏は与党への激しい逆風の中での戦いだが、 自身のスタイルは変えない。 欠かさず続けてきた街頭演説を軸に、 解散後はミニ集会やあいさつ回り、 自転車での地域巡回などを精力的にこなす。 党よりも 「個人」 を打ち出し、 当選1回で政務官を務める即戦力、 実績を訴え、 連続当選を目指す。
門氏は 「県都」 の議席回復を目指し、 党県連初の公募で選ばれた。 党も重点選挙区と位置付ける。 経営者の経験を前面に出し、 経済に強い民間出身者をアピール。 知名度アップのため精力的に街頭演説や企業、 支援者へのあいさつ回りをこなし、 党所属の地方議員が門氏参加の集会を開いている。
国重氏は原発即時ゼロやTPP (環太平洋パートナーシップ協定) 反対、 消費増税反対などを明確に打ち出す。 他党との違いをアピールし、 批判票の受け皿を目指すが、 「既成政党対第三極」 の構図で埋没することを警戒している。 街頭演説やミニ集会などを重ね、 先月29日には事務所を開いた。
林氏は先月19日の出馬表明以降、 急ピッチで準備を進め、 駅前や商業施設、 イベント会場などに足を運び支持を訴えてきた。 東京出身で地縁も組織もないが元職で選挙は4回目。 戦いは党を前面に出し、 橋下徹党代表代行との2連ポスターでアピール。 既成政党への不満を受け止めると意気込む。
【2区】
坂口氏は出馬表明が先月27日と遅れ、 選挙準備に追われて街頭での立礼や集会など 「幅広い活動はできていない」 (陣営) が、 有力な支援者らを中心にあいさつ回りに汗を流す。 出遅れは否めないが、 陣営は 「民主逆風の中だが支援者は選挙で戦えることに喜びを感じてくれている」 と話す。
石田氏は解散当日に地元入りし、 連日朝夕の街頭演説で経験をPR。 支持団体や企業との集会を重ね、 着々と基盤を固めてきた。 「安定した政党による政治」 を訴え、 自民党への信頼回復へ躍起。 陣営は 「自民に追い風が吹いているわけではない」 と危機感を持っており、 前回の雪辱、 票の上積みを狙う。
吉田氏は3月に出馬が決まって以降、 地道に選挙区内の市町を回り、 解散が決まった先月14日から集中的に街頭活動。 「90年の歴史ある政党らしい政党」 や 「憲法改正反対」 「即時原発ゼロ」 「消費増税に頼らない道」 を訴えており、 他党と主張の違いを出し、 支持拡大へ力を入れている。
阪口氏は公認を得た先月21日以降、 維新に合流した経緯の説明に支援者のもとを巡回。 自転車で選挙区内を回り、 存在をアピールしている。 今月1日にはJR海南駅前で維新の松井一郎幹事長や比例近畿ブロックで立候補予定の東国原英夫・前宮崎県知事らと共に街頭演説し、 支持を訴えた。
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小選挙区の立候補届け出は、 県庁北別館2階で午前8時半から午後5時まで受け付ける。 各陣営は届け出の後、 選挙事務所などで出陣式、 第一声を上げる。