新年の風習にふれる 貴志川線で巡る三社参りの旅
和歌山駅からわずか3分の日前宮駅。 昭和8年までは、 駅の北側にあたる地名から秋月駅と呼ばれていた。 駅から北東へ約1㌔の場所には鳴神貝塚がある。 明治28年に近畿で初めて発見された縄文時代の遺跡で昭和6年に国の史跡にも指定され、 駅北側は秋月遺跡と呼ばれる歴史あふれるまちだ。
駅名にもある通り、 日前宮は駅のすぐ近く。 「日前神宮(ひのくまじんぐう)」 と「國懸神宮(くにかすじんぐう)」 2つの神宮を境内に持つことは珍しく、 2社を合わせて 「日前宮」 の名で親しまれている。 伊勢神宮と同様、 かつて朝廷が神位を贈らない別格の社で、 古い歴史と格式のある神社である。 正月には約30万人もの参拝者が訪れる。
3週にわたり、 和歌山県の 「三社参り」 として代表的な3神社を紹介してきた。 間もなく訪れる新年に三社参りを計画されている方もいらっしゃるだろう。 例年、 神社周辺の道路は大変な混雑。 来年は和歌山電鐵貴志川線を利用して参拝してはどうだろう。
同社が発売する 「1日乗車券」 は大人用1枚650円。 乗り降り自由で、 同社ご自慢のユニークな車両への乗車や、 たま駅長やニタマ駅長に会いに行くのもよし。 車両の運行日時や両駅長の勤務予定は同社のウェブサイトから確認できる。
古くから親しまれてきた新年の風習に触れるとともに、 新たな地域資源として定着した和歌山電鐵貴志川線の試みにふれてほしい。
(次田尚弘/和歌山)