災害から命守る「国民立法」 国土強靭化基本法案を提出
「防災・減災等に資する国土強靭化基本法案」は、去る5月20日、公明党の賛成を得て、私が提案代表者となって衆議院・鬼塚誠事務総長に提出しました。
提出の際に、20名を超える自民・公明の議員が同行していただきました。事務総長も「こんなに多くの議員の皆さんが提出にお越しいただき、いかに重要な法案であるか良く承知しました」と感想を述べておられました。
特に印象深いことは、この後、今日限りで参議院議員を辞することになる大江康弘氏が、今国会の最後の仕事として、国土強靭化法案の国会提出に立ち会ってくれたことでした。
この夏の参議院選挙に、自民党公認で堂々と当選され、国土強靭化の論客として、自民党参議院議員の中核となって活躍されるよう、今から期待を申し上げたい。
法案の「基本理念」は、国土強靭化の推進に当たって、東日本大震災から得られた教訓を踏まえ、必要な事前防災及び減災その他迅速な復旧復興に資する施策を、総合かつ計画的に実施することが重要であるとともに、国際競争力の向上に資することに鑑み、明確な目標の下に、大規模災害等からの国民の生命・身体及び財産の保護並びに大規模災害等の国民生活及び、国民経済に及ぼす影響の最小化に関連する分野について、現状の評価を行うこと等を通じて、当該施策を適切に策定し、これも国の計画に定めること等により、行われなければならないこと。
【基本方針】
※人命の保護が最大限に図られること。
※国家及び社会の重要な機能が致命的な障害を受けず、維持され我が国の政治、経済及び社会の活動が持続可能なものとなるようにすること。
※国民の財産及び公共施設に係る被害の最小化に資すること。
※迅速な復旧復興に資すること。
【施策の策定・実施の方針】
※既存社会資本の有効活用等により、費用の縮減を図ること。
※施設又は設備の効率的かつ効果的な維持管理に資すること。
※地域の特性に応じて、自然との共生及び環境との調和に配慮すること。
※基本理念及び基本方針を踏まえ、実施されるべき施策の重点化を図ること。
※民間の資金の積極的な活用を図ること。
いよいよ法案は国会に提出の運びとなり、議論がはじまりますが、特に重要な論点は、財政的に堪えられますか!という点です。このことは財政の健全化を憂慮する当然の主張でありますが、財政的な問題だけで、あなたはあの恐ろしい大災害を目前にして、何もしなくていいのですかという問いに何と答えるかが大問題であります。私たちは責任ある与党として、今日まで2年間、各方面の有識者と意見を交わして来ました。その間、自民党国土強靱化総合調査会は約60回開催、出席議員は延べ2000人を超えております。審議の模様は、党の各県連を通して伝えておりますし、国土強靭化「日本を強くしなやかに」は3冊の出版物にして内外に公表しております。会議はマスコミの皆さんにもフルオープンにしています。
過去の大災害の教訓に学び、平時において、万全な備えを怠ることなく、政治は①人命は何としても守り抜く。②地域コミュニティの強靱化。③情報通信ネットワークの強靱化。④森林等の保全、自然林の復活。⑤「命と国土を守る」そのために必要なことは全てやらなければならない。当然、計画的に実行する。無計画な「バラマキ」等、誰も考えていません。議員提案の法案ですから、議員立法と呼びますが、私は全ての心ある国民の皆さんが参加する「国民立法」と呼ばれるような重要な法案であり、みんなで災害から人々の尊い命とくらしを守ることに全力で取組みましょう!