星林高校で「南極教室」 昭和基地と交信

 和歌山市西浜の県立星林高校(有本欽治校長)で5日、南極大陸の昭和基地と衛星回線を結んで現地の隊員と交信する「南極教室」が開かれた。同校OBで、現在第54次越冬隊員として現地に派遣されている川崎昭仁さん(51)と主に交信し、2年生約50人が南極の知識や環境問題への理解を深めた。

 教室は「情報・システム研究機構 国立極地研究所」が実施する事業の一つ。南極の知識とともに、地球の環境問題について理解を深めてもらおうと全国各地で開いている。

 生徒たちは、スクリーンとモニターを通してリアルタイムで川崎さんとやり取り。放送専門部の部長、米田早知絵さん(17)が進行役を務めた。

 交信では南極の現在の天気や、昭和基地の施設、フロンガスが原因で起きる「オゾンホール」などの環境問題について隊員たちが説明。「食事はどうしていますか」「紫外線の強度はどのくらいですか」などの生徒の問い掛けに、隊員はパネルを使ったりして分かりやすく解説した。

 南極は母校から約1万4000㌔㍍。後輩に川崎さんは「これからつらいことや楽しいことがたくさんある。つらいことを乗り越えて楽しい未来へと頑張ってほしい」とエールを送った。

 米田さんは「遠く離れた南極と交信ができた。貴重な体験になりました」と話していた。

 他にも、2万年前の南極の氷が用意され、生徒たちは実際に触ったり、水を入れて気泡の弾ける音に耳を澄ませた。

 


パチパチと弾ける氷の気泡に耳を傾ける生徒