21日、妹背山で「竹燈夜」初開催

 和歌山市の国名勝・和歌の浦を、約2000本の竹灯籠の光で包む「観月会 竹燈夜(たけとうや)in妹背山」が21日、初めて開かれる。4つの市民団体でつくる実行委員会が企画。入り江に浮かぶ小島・妹背山を舞台に、竹で作った灯籠の優しい光で幻想的に照らし、和歌を詠むなど、風情ある催し。実行委は「満月に照らされながら竹燈夜の美しい情景を目に焼き付け、和歌の浦の歴史的・文化的価値を再認識してもらえれば」と呼び掛けている。

 国の名勝・和歌の浦の文化的・精神的価値を高めようと開催。

 会場となるのは、万葉の趣を今に伝える妹背山。周囲250㍍ほどの小島で、紀州初代藩主徳川頼宣や生母お万の方(養珠院、家康の側室)、後水尾上皇から公家、武士、僧侶、一般民衆など身分を問わず経文を書き記した15万個もの石(経石)が納められた場所。

 約2000本の竹灯籠を、妹背山の周囲に設置。たいまつなども用意し、かがり火のもと、幻想的な光を浮かび上がらせる。

 小堂「経王堂」(きょうおうどう)や東端の観海閣、島の中央にある多宝塔の他、玉津島神社(和歌浦中)の鳥居などをライトアップ。観海閣では、事前に市民らから募った短歌を詠む。

 子どもたちも楽しめるよう、妹背山内の旧芦辺屋別館(西本宅)では「和歌山おはなしの会 語りの森」が昔話やわらべ歌を披露。妹背山多宝塔海禅院の松本惠昌住職の講和「徳川頼宣の母お万の方」もある。

 実行委メンバーは「ライトアップされた観海閣など『まさに名勝・和歌の浦の夜』という美しい風景を演出したい」と意気込んでいる。

 午後6時から8時半。小雨決行。駐車場所に限りがあり、できる限り公共交通機関の利用を求めている。

 問い合わせは実行委の渋谷さん(℡073・447・2660)。