東京五輪・パラ五輪成功のために 党派超え汚染水問題の解決を

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まりました。1964年の東京オリンピックを小学2年生で迎えた私としても、本当にうれしい限りです。久しぶりに、私たち国民が共通に夢と目標を持つことができました。64年のオリンピック、70年の大阪万博にも匹敵するイベントです。安倍総理をはじめ、招致委員会の皆さんのご努力に敬意を表し、国民の一人としてお礼を申し上げたいと思います。

 64年オリンピックの時に、わが家はまだ白黒テレビでした。開会式の日に、家族4人で、近所の中華そば屋さんに行き、お店のカラーテレビで見た入場行進の日本選手団の赤いブレザーの色は今でも目に焼き付いています。子ども心にも、日本が発展していく躍動感を感じました。あの気持ちを、もう一度日本の子どもたちに味わわせてあげたいものです。エチオピアという外国があるということも、マラソンのアベベ選手の活躍で知りましたし、柔道のヘーシンクのおかげでオランダという国を知りました。

 おおげさかもしれませんが、当時の「夢の超特急」新幹線がオリンピックに間に合ったように、リニアモーターカーの東京―大阪間も、ぜひ後7年で完成させられないでしょうか? そして、関西空港までリニアを延伸させるとか、夢は限りなくわいてきます。

 一方で、安倍総理のプレゼンテーションの中で、福島原発の汚染水問題について、「汚染水による影響は完全にブロックされている、健康問題については、今でも、現在も、将来も、まったく問題ない」と発言されました。国会でも、「放射性物質の影響は、発電所の港湾内の0・3平方㌔㍍に限定されている」と。しかし、ある新聞社の世論調査では国民の76%の方がそうは思わないと回答しています。

 実際には、0・3平方㌔㍍の港湾内の水は、2日間で全部入れ替わっています。つまり、汚染水は外洋に垂れ流されています。港湾の外でモニタリングして、放射性物質の影響が少ないのは、広大な太平洋の海水で薄められているに過ぎません。私は、そのこと自体を責めるつもりはありません。そのように軽々に「完全にブロック」と断定することがむしろ解決を遅らせ、国民の不信を高めるのではないかと心配します。

 安倍総理の発言はある種の国際公約になってしまいました。そうである以上、国を挙げて、この総理の約束をみんなで実現するよう全力を挙げることが必要だと思います。民主党は事故当時、政権与党であったわけですから、責任の一端から逃れるわけにはいきません。同僚の馬淵代議士は、首相補佐官当時検討したアンブレラ効果のある鋼矢板の壁を山側に打ち込む工法などを国会で提案しています。党派を超えて、前向きに解決に向けて協力していきたいと思います。