紀の川市議選 旧5町別分析「粉河」
9月2日現在の有権者数が1万2035人で旧5町中、3番目に多い票田の粉河地区。公明党現職1人が引退するが、後継ぎで同党から新人が立候補し、前回と同じく7人の候補者が構える。票割は比較的安定していると見られる一方、「現職の顔が変わらない」ことで投票率の低下を不安視する陣営も。地区の南部と北部は農繁期。中部は票田が大きい分、他陣営からの切り込みを受けやすい弱点もある。有権者は前回から600人以上が減っている。〔写真の並び、紹介は五十音順〕
立候補を表明しているのは、今西敏文(64)無現、岡田勉(61)共産現、亀岡雅文(56)無現、川原一泰(73)無現、杉原勲(59)無現、並松八重(60)公明新、森田幾久(46)無現――の7氏。
今西氏は前回1233票で17位。南部の竜門地区を地盤に票を集める。農家を中心に活動を展開しているが、「台風の影響などで遅れている。厳しい状況」と分析。南部の公明党新人候補者の動きを警戒しつつ、他地区での票集めにも躍起だ。
共産党の岡田氏は前回1289票で15位。反保守票に加え、新規の開拓にも余念がない。関係者は「手応えを感じている」とした上で、「守りにならないように攻めていく」と気を引き締める。
亀岡氏は前回1229票で18位。地元の中津川地区を地盤に友人関係らの票を固める。後援会活動は「前より動けている」と好感触。活動開始時期も前回より早く、市内全域で支持拡大を図っている。
川原氏は前回1748票で4位当選。地元の藤井地区や粉河中学校移転問題の反対票で足元を固める。前回より立候補予定者の増えた打田地区から流れる票は減ったと読み、危機感も。4月から地道に市内全域で活動に取り組んでいる。
杉原氏は前回1054票で最下位当選。危機感を持ち、早めの活動を展開してきた。町議時代からの後援会は高齢化が進み、会員数を増強。「厳しい選挙」と自覚し、地元東野地区の推薦を土台に現職の引退票の取り込みなどに動いている。
公明党新人の並松氏は、荒見地区を地盤とし、9月から始めた引き継ぎも順調の様子。粉河、那賀地方の朝立ちに加え、2回の街頭演説で知名度を高めてきた。党として同市では初の女性候補者でもあり、女性票の関心は高い。
森田氏は前回1604票で6位。長田小学校区を地盤に長田少年野球クラブや和歌山バス那賀労働組合などの推薦を受け、7月下旬から後援会活動で約3800件の訪問を実施。「前回より苦しい」と話すが、現状維持以上の票数獲得を狙う。