26年度当初予算/前年度並み5681億円 和歌山県
県は12日、総額5681億3693万円の平成26年度一般会計当初予算案を発表した。25年度当初比0・2%増と前年並みの予算規模を確保し、公共投資を増額する一方、人件費や公債費は抑制し、県税収入は増加を見込む。収支不足は新行財政改革推進プランの目標通りの6億円(前年度9億円)に縮小した。19日開会の2月定例県議会に提案される。
政策の重点テーマには「安全と安心」「未来への投資」の2本柱を掲げ、防災・減災対策、高齢者が安心して暮らせる社会づくり、紀の国わかやま国体・大会準備の仕上げ、農林水産業の競争力強化などに力を入れる。
仁坂吉伸知事は「投資をしておかないと将来の発展はなかなかできない。若干の増収とこれまでやってきた行財政改革により、リーズナブルな予算編成ができた」と話した。
■歳入
県税収入などの自主財源は2323億円、依存財源は3358億円。自主財源比率は前年度より2・1改善の40・9%で、6年ぶりに40%を超えた。自主財源のうち県税収入は、景気回復や税率改正などにより5・2%増の830億円を見込んでいる。依存財源は、地方交付税と臨時財政対策債の合計が1・5%減の1931億円で、2年連続の減少となっている。
県債発行額は1・6%減の862億円で、県債依存度は0・2改善の15・2%。県債残高は26年度末で過去最高の1兆162億円となる見込み。地方交付税で措置される臨財債を除くと、県民1人あたり約65万円の借金となる。
財源不足の6億円は貯金に当たる県債管理基金を取り崩して対応する。同基金と財政調整基金の26年度末残高は212億円を見込み、新行財政改革推進プランの目標185億円より改善している。
■歳出
義務的経費は前年度とほぼ同じ2297億円で、歳出全体の40・4%を占める。うち人件費は、職員定数の115人削減などから0・8%減の1422億円。県債の返済などに充てる公債費は0・9%減の726億円となっている。
政策的経費のうち、建設事業費などの投資的経費は3・0%増の1178億円。内訳を見ると、普通建設単独事業費は、消防学校整備などにより22・0%増の296億円。普通建設補助事業費は、道路改良や大規模建築物の耐震化促進などで0・5%増の627億円。災害復旧費は、紀伊半島豪雨関連の減少により27・6%減の97億円となっている。
消費増税に伴う地方消費税の増収等18億円は全て社会保障費に活用される。自然増分や増税に伴う診療報酬・介護報酬の改定分などを除いた8・5億円が、子育て支援や低所得者の保険料軽減対策などに当てられる。