地域のオリジナルブランドに 「まりひめ」最盛期迎える

 3月も半ばを過ぎ、いくぶん春めいてきた。「イチゴ」は最盛期を迎え、イチゴ狩りを楽しむ方も多いのではないだろうか。

 ここ数年、県内で注目されているのが、県オリジナル品種イチゴの「まりひめ」だ。「まりひめ」は、平成14年度、早生で豊産性の「章姫(あきひめ)」とコクのある食味で日持ちに優れた「さちのか」を交配して生まれた品種で、平成20年3月に種苗登録出願された。名前の由来は、紀州の伝統工芸品である「紀州てまり」にちなみ、かわいらしく、皆に愛されるようにとの願いが込められているという。

 「まりひめ」の特徴は「さちのか」に比べ2週間以上早く収穫開始時期を迎え、12月上旬頃から出荷できること。収量も通常の品種より2割程度多く、クリスマスや年末年始でイチゴの需要が高まる時期に有利に出荷できることから、農家の方々の増収にも貢献するという。果実は肩部がやや丸みを帯びた円錐形で寒い時季でも鮮やかな紅色となり光沢が出る。糖度は「章姫」より高い9度以上と「さちのか」と同等だ。県内におけるイチゴの栽培面積は48㌶(平成22年産)。そのうち「まりひめ」は11.6%にあたる5.7㌶(同)と本格的に栽培されてきた。

 先月25日から今日まで、「まりひめ」等の県産いちごをメーン食材とした「わかやまポンチ」を期間限定で県内外26店舗で一斉提供する「わかやまポンチ春フェスタ2014」を、全国わかやまポンチ協会と和歌山県が共同で実施。県産イチゴの魅力発信に取り組むなど、和歌山のブランドイチゴとしての期待も厚い。果物店やスーパーの店頭で見る機会も増え、一部の農家ではイチゴ狩りも可能。ぜひご賞味を。
   (次田尚弘/和歌山)