和歌浦の魅力を再発見 養翠園ウオーク
国の名勝に指定されている和歌山市西浜の養翠園などを巡るウオークイベントが18日にあり、和歌山歴史地理研究会会員の小林護さん(79)案内のもと、約30人が風情ある庭園内を散策した。
地元の魅力を学び、深めようと活動するJプロジェクト(神保紀代子代表)が主催。「和歌浦の魅力再発見」シリーズの一つで、この他市指定文化財の湊御殿や県指定の史跡・水軒堤防を見学した。
養翠園では、小林さんが同園を造営した紀州10代藩主の徳川治宝(はるとみ)について紹介。19歳まで江戸にいたことから「派手好み」で、『紀伊続風土記』新撰を命じたり、和歌浦の不老橋を築造するなど、教育や文化振興にも尽力。隠退後も藩政の実権を握るなど、力のある人物であったとした。
また「庭園の造りは不老不死や仙人へのあこがれの気持ちから、中国の思想を取り入れている」とし、池の中央に造った島を「仙人の住む地」として守護神をまつり、三ツ橋は中国の西湖を模していることなどを解説した。
その後、参加者たちは大池とマツが見事に調和した庭園内をゆっくりと歩いて回った。
同市新中島の会社員、藤野敬介さん(28)は「庭園に込めた治宝の思いを知った上で歩くと、また違う味わいがありますね。非日常を感じました」と話していた。
次回の開催は7月12日で、雑賀崎の番所庭園などを巡る。