紀の国の“みち”表現 国体の式典計画

 来年9月から開かれる「紀の国わかやま国体・大会」の式典実施計画の大枠がかたまった。皇族を前に行う式典前演技は、「紀の国の〝みち〟」を演出テーマとし、「自然の力によって、人を明日に導く〝みち〟」を1000人規模のパフォーマンスで表現する。22日に和歌山市内で開かれた第5回式典専門委員会(委員長=早田卓次・日本大学名誉教授)で実施計画案が承認された。6月4日にある県実行委の常任委員会総会に報告する。

 計画では、国体の式典前演技(30分間)はプロローグと全4章で構成。プロローグ「紀の国の〝みち〟」では、和歌山の自然の特徴と、いにしえからの〝みち〟との関わり方などを約10人で伝える。

 「第1章 森の〝みち〟」では、フィールド上につくった紀の国の森に命があふれる様子や、森が寛容の心を教えてくれることを約300人で表現。「第2章 海の〝みち〟」では、太鼓演奏などで力にあふれた黒潮の海を表現し、未知の可能性に挑戦する勇気を約400人で伝える。

 「第3章 心の〝みち〟」では、和歌山の先人の偉業を伝えるパフォーマンスを通じ、それが県民を導く〝みち〟となっていることなどを約300人で表現。第4章「〝みち〟は未来へ」では、それらの〝みち〟を通して明るい未来をつくっていくことを全出演者約1000人の合唱やダンスなどで伝える。

 式典専門委員会には委員21人が出席。計画では演技は最大1000人程度と想定しているが、委員からは「1万人で地響きがするような、見る人の度肝を抜くような演出も検討してみては」などの意見もあり、事務局は「人数規模は会場の条件的に厳しい部分もあるが、演出に観客を巻き込むなど検討したい」と答えた。

 国体の総合開会式は来年9月26日、大会の開会式は10月24日、ともに紀三井寺公園陸上競技場で開催予定。式典の全体テーマは「躍動と歓喜、そして絆」としている。