虐待相談4年連続最多更新 25年度

 平成25年度に県の児童相談所に寄せられた虐待相談件数は前年度比75件増の793件で、4年連続で過去最多を更新した。市町村の受け付け件数も165件増の742件と大幅に増えた。県子ども未来課では、児童虐待に対する社会的な関心の高まりと、全国民に課せられている通告義務の浸透が要因とみている。

 県への相談は、子ども・女性・障害者相談センターが651件(57件増)、紀南児童相談所が142件(18件増)。

 虐待の種類別にみると、身体的虐待が278件(35%)で最多。心理的虐待267件(34%)▽ネグレクト(育児放棄)233件(29%)▽性的虐待15件(2%)――と続き、例年2番目に多かったネグレクトを心理的虐待が上回った。心理的虐待では暴言、無視の他、「子どもの目の前で家庭内暴力を見せる」というケースも増えている。

 虐待を行うのはほとんどが両親で、実母が452件(57%)、実父が266件(33%)。養父・継父等24件(3%)、養母・継母等15件(2%)、その他36件(5%)となっている。

 虐待を受けているのは小学生が295件(37%)で最も多く、3歳~学齢前が194件(24%)、0~3歳が148件(19%)で、小学生までが全体の8割を占める。中学生は102件(13%)、高校生・その他は54件(7%)。

 通報者は市町村が3割の241件、学校などが107件、警察などが82件。同課では「虐待の早期発見は一般からの通報も大事。気になる家庭があれば相談してほしい」と協力を呼び掛けている。相談は子ども・女性・障害者相談センター(℡073・445・5312)へ。

3つの目標達成
県防止基本計画

 県は平成21年度に策定し、25年度を目標年度としてきた「県子ども虐待防止基本計画」の実施状況をまとめた。
 7つの数値目標のうち達成したのは、官民連携して養育支援などを行う「要保護児童対策地域協議会」の全30市町村への設置▽乳児がいる家庭を助産師らが訪問して悩みを聞いたり情報提供する「乳児家庭全戸訪問事業」の全30市町村での実施▽「里親支援機関」1カ所の設置――の3項目。
 「要保護児童対策調整機関」への専門職員の配置市町村数(目標30に対し23市町村)、里親委託率(15・0%に対し14・2%)など、目標に達しなかった項目は見直して新たな計画を策定するとしている。