増税に理解求める 国が社会保障説明会
消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革に関する国の説明会が9日、和歌山市の県民文化会館で開かれた。県内の企業、経済団体、行政などの関係者約120人を前に、各省庁の担当者が財政赤字や社会保障制度の厳しい状況を解説し、増税に理解を求めた。
説明会は財務省、厚生労働省などが主催し、各都道府県で実施している。
財務省の担当者は、本年度一般会計予算の歳出の31・8%を社会保障費で占める中、歳入の43%が将来世代の負担となる公債費で賄われているといった現状を説明し、「世代間、世代内の公平性、社会保障の安定した財源を確保する観点から、消費税は社会保障の財源調達手段としてふさわしい」と述べた。
厚労省の担当者は、高齢化が進む人口の変化や、急激に増加する社会保障費の将来推計を示し、消費税収の使途について「年金制度の改善、医療・介護の充実、子ども・子育て支援に拡大し、全て国民に還元する。官の肥大化には使わない」と強調した。
また、経済産業省の担当者は中小企業の支援策などを紹介した。
参加者からは、「消費税を上げると生活は苦しくなる。社会保障は良くなっているのか」「国の財政の運営がよく分からない」との指摘や「子育て支援の充実と言っているが、今の若者はワーキングプアなど子育てまでに障害がある。安定して働ける保障が求められているのではないか」との声も上がった。