「熊野」でつながる道の駅 県境越え、周遊キャンペ

 前号では、全国各地の道の駅で販売されている「道の駅記念きっぷ」と、道の駅に期待される役割について紹介した。今週は、和歌山県と奈良県にある一部の道の駅を周遊するキャンペーンを紹介したい。

 和歌山県田辺市と奈良県十津川村は、「聖地熊野を核とした癒しと蘇りの観光圏協議会」を立ち上げ、互いに共通する観光資源である世界遺産の熊野古道や温泉で、県境を越えた交流が行われるよう、田辺市内7カ所と十津川村1カ所の道の駅を巡る「道の駅(えき)っぷ干支めぐりキャンペーン」を実施している。

 対象の道の駅で500円購入ごとに道の駅きっぷ1枚がもらえ、8カ所の道の駅きっぷを集め並べ合わせると1つの干支の絵になるという仕掛け。さらに専用のスタンプ台紙に道の駅スタンプを捺印し8カ所全て集まれば、先着300人に特別きっぷ2枚と、道の駅きっぷを保管できる専用ファイルが進呈され、抽選で特産品が当たるというもの。

 平成17年の市町村合併で田辺市の面積は県全体の約22%を占めるようになり、近畿で最も広い市。旧の田辺市、龍神村、中辺路町、大塔村、本宮町には、熊野古道をはじめとした魅力的な地域資源がたくさんあり、そのエリアごとの情報発信基地として、道の駅も整備されてきた。十津川村との共通項をもとに県境を跨いだ横の連携で、新しい観光と人の流れが生まれている。

 キャンペーンは9月末まで実施。詳しくは田辺市観光振興課(℡0739・26・9929)。9月の連休で周遊してみては。
   (次田尚弘/和歌山)