南海トラフ地震想定の図上訓練 海南
地域防災計画の改訂へ向けて海南市は9日、市総合体育館で南海トラフ巨大地震を想定した図上訓練を行い、市職員や関係機関から合わせて約230人が参加。マグニチュード9・1の地震と大津波の発生3日(72時間)後を想定し、市の災害対策本部体制、対応や関係機関との連携・調節の在り方を検証した。
災害対策本部の各部・プロジェクトの市職員と県、紀美野町の他、医療、インフラ、輸送などの各関係機関のメンバーらが情報を共有して整理。現状と今後の課題や対応方針をまとめた後、医療救護、ライフラインの応急復旧、物資輸送・調達、ボランティア活動支援について受援体制を確認した。それぞれ本番さながらの緊迫感を持って行動。最後に災害対策本部会議を開き、本部長の神出政巳市長が今後に予想される課題と対応方針を示した。
京都大学防災研究所の牧紀男教授は講評で「被災者の救助で生死を分けるといわれる72時間、人命を『守る』から『つなぐ』への切り替えが必要。一歩先の対応を考えて地域防災計画を確認し、情報共有を意識して」とアドバイス。神出市長は総評で「住民の命は一人でも多く助ける。課題に対して全職員が一体となって知恵を出し、計画を実効性のあるものにすべく改訂を進めたい」と述べた。
改訂作業は東日本大震災や紀伊半島大水害を教訓に平成25年度にスタート。本年度との2カ年にわたり、研修や訓練を通して課題の検証を重ねている。今回の訓練は5回目。