白バイ全国大会で過去最高 県警交機

 県警交通機動隊に、一般にはあまり知られていない特別訓練員(以下特練員)が組織され、活躍している。昨年10月に茨城県ひたちなか市で行われた白バイやオフロードバイクの運転技術を競う「全国白バイ安全運転競技大会」では、男子団体9位(35チーム参加)と17年ぶりに過去最高成績を更新した。特練員らが修得した技術は、まちの交通事故防止や治安維持など日々の警察活動で発揮される。

 県警の白バイ隊は、優れた運動神経やタフな精神を持った一握りの人材しか登用されない花形部隊。その中でもさらに優れた運転技術を持った乗務員が、本部長から指名された特練員だ。特練員には、全国大会での上位入賞を目指し、真夏も休むことなく、連日厳しい訓練が待ち受ける。誰もが一度は、投げ出したくなる感情を乗り越えながら日々成長していくという。

 同大会は、各都道府県警と皇宮警察から選抜された正選手2人、補欠選手1人で1チームを構成(男子)。出場できる権利は1人2回(女性は3回)まで。競技は、あらゆる道路形状において常にバランスを保った走行力が必要な「バランス走行」、瞬間的な判断が必要になる「トライアル走行」、山の傾斜などを利用したコースで運転技術を試すオフロード「不整地走行」、アクセルワークやコーナーハンドリングが必要な「傾斜走行」の4種目(女性は傾斜走行1種目)で競う。

 同大会出場選手は、各地方のトップクラスの技術を持った白バイ乗務員ばかりなため、カーブで車体を擦る小さなミスでも、減点により上位進出は困難になる。県警代表チームは大会で、臆することなく日頃の訓練の成果を発揮し、各種目いずれも減点を抑え戦い抜いた。

 2回目の挑戦となったキャプテンの柴﨑大輔巡査長(29)は「大会は、趣味の延長などではなく、仕事としての参加なので、これまでに経験したことのないプレッシャーでした」と振り返り、「今後は、重大事故の防止のために、運転技術を生かして人々の命を守りたい」と話していた。

 柴﨑巡査長の他、大会に出場したのは次の皆さん。
 監督=三毛淑雄巡査部長(37)▽女性指導者=尾崎正基巡査部長(37)▽選手=中津昌弥巡査長(29)、荒井透巡査長(25)、金内恵美巡査長(31)、楠本記子巡査(24)

全国大会に出場した特練員ら

全国大会に出場した特練員ら

障害物を乗り越え走行する特練員

障害物を乗り越え走行する特練員