防災強化へ 国土強靱化の意見交換会

 南海トラフ地震などに備えるため「国土強靱(じん)化地域計画」を進めている県と和歌山市は10日、同市湊通丁北のホテルアバローム紀の国で県内の市町村職員や団体、企業関係者と意見交換した。

 県と同市は昨年6月、国の「国土強靱化地域計画策定モデル調査」実施団体に選定。同8月には、県と同市が「国土強靱化共同本部」を設置し、県内各地域の脆弱性の分析や現状評価の作業を進めてきた。

 民間などの意見を同計画案に反映させることを目的として約130人が参加した会場では、県が36㌻、市が49㌻にわたりまとめた地域の脆弱性調査資料を提示。住宅密集地での火災発生や情報伝達不備での避難行動の遅れ、液状化による救助活動の支障発生など、最悪の事態を想定した上で、現段階の対策達成の数値などを示した。今後、本年度中に同計画案を完成させ、来年度中にも確定した計画を県民や市民に向けて発表する。

 民間からの意見提案では、「災害時に情報を取得できるラジオをコンビニで流してほしい」「大津波が発生した場合、海水により水道水は使えなくなるので、地下水などの代替水の確保が必要」などが挙がった。

 この日、講師として招かれた内閣官房国土強靱化推進室の田中昇治企画官は、「国土強靱化地域計画は、県民市民による計画が望ましいので、民間の意見をどんどん入れてほしい」と話していた。

県や市の職員(奥)らが現状を説明した

県や市の職員(奥)らが現状を説明した