実効性高める 海南地域防災計画を改訂
海南市は20日、市防災研修センターで防災会議を開き、市の地域防災計画を改訂した。平成23年の東日本大震災や紀伊半島大水害から得られた教訓や課題を整理、反映し、現行計画の問題点を改善し、「災害に対する実効性の高い計画」を目指している。
計画改定の方針として、主に①既住災害で得られた教訓・課題の反映②現行の地域防災計画の問題点の解決――を掲げた。①では「災害対策本部機能」「情報収集・伝達、分析体制」「物資輸送・調達体制」「避難所の管理体制」「受援体制・連携体制」の各強化を反映し、②では「誰が見ても分かりやすい計画」「災害種別にかかわらず一元的に対応できる構成」「災害対応の目標の明示」「災害対応の役割分担、具体的な実施手順の明示」「防災対策の進捗管理」について見直した。
改訂は25、26年度の2カ年で進め、この日、本編、災害時行動マニュアル、資料編で構成する地域防災計画、併せて市水防計画の改訂について承認。神出政巳市長は関係機関の代表者ら委員を前に感謝し、「見直しや訓練を通じて職員の連帯、意識も向上し、成果が現れると確信しています。今後ともご指導、ご協力よろしくお願いします」と述べた。
その後、監修に携わった京都大学防災研究所の牧紀男教授が「海南市の地域防災計画―良くなったこと、今後の取組―」と題して講演。「行政職員が行う災害対応の手順、『いつまでに』『何をするのか』が市民に分かりやすくまとまった計画」と話し、今後の課題について、予防対策の充実や職員の人事異動による災害対応能力の低下を防止することを挙げた。