多様な性にYES 性的少数者が街頭に
「多様な性にYESを」――。世界で同性婚を認める動きが広がり、日本でも東京都渋谷区で同性パートナーシップ条例が成立するなど、同性愛者や性同一性障害者らLGBT(性的少数者)への関心が高まる中、17日、県内でも当事者自らが街頭に立ち声を上げた。
呼び掛けたのは、性的少数者と、その理解者のための自助グループ「チーム紀伊水道」(衛澤創代表)の15人。
5月17日は、1990年にWHO(世界保健機構)の精神疾患リストから、同性愛が削除された日。この日を同性愛差別に反対するきっかけにと、同日を中心に、世界各地でさまざまな取り組みが行われる。日本では、多様な性を認め合う日にしようとメッセージを発信する動きが各地で広がっている。
この日、メンバーや支援者が和歌山市のJR和歌山駅前で「となりにいるよ」「同性を好きになるのもYES」などと書かれたプラカードを掲げ、性の多様性を示す虹色の旗などでアピール。道行く人にちらしを配り、当事者の体験談やメッセージを拡声器で読み上げた。
また「LGBTといった言葉を知っていますか」などのアンケートパネルに「はい・いいえ」でシールを貼って答えてもらう意識調査も行った。
衛澤代表(45)は「性的少数者について『怖い』『触れてはいけないもの』と思って避けている人も多い。テレビの中だけでなく、和歌山にも、あなたの近くにもいますと伝えたい」。
街頭アクションの発起人となった同市の会社員・朝海コウさん(26)は「自分自身、LGBTの知識がないゆえに苦しんだこともある。まずは知ってもらい、一般的には普通ではない性の人も、普通に生活していることを理解してもらえれば」と話していた。