名手小地元「みまもり隊」 事件受け結成

 ことし2月に紀の川市立名手小学校の児童が刃物で刺されて殺害された事件を受け、28日、同校区を含む那賀交番管内の住民でつくる那賀交番連絡協議会が「みまもり隊」を結成した。登下校時の子どもの見守りや放課後に児童公園、空き地などで不審者を監視し、地域の安全確保に向けて活動する。

 同隊は、子どもたちの不安感を払拭し、体感治安を高めようと発足。民生委員や区長ら6人で構成する同協議会のメンバーが隊員として、活動を展開していくという。

 同日は那賀交番で発足式が行われた。冒頭で亡くなった児童に黙祷がささげられ、岩出署の寺園勝人署長が「地域の安全・安心に欠かせないリーダー、警察と住民のパイプ役として、十分に力を発揮してもらいたい」とあいさつ。金田光央隊長(72)は「見守り活動の裾野を広げ、地域の絆を深める安全活動へと推進していきたい」と述べた。

 その後隊員は、メンバーが企画作成した青い帽子と名手小学校からの協力で配付された街頭活動用の黄色いベストを着用し、那賀交番員と国道24号で街頭活動に取り組んだ。

 事件以降、同校では子どもたちの平常の生活を取り戻そうと、職員や児童の家族ら約45人が協力しながら見守り活動を実施。中には自転車で登校に付き添う地域住民もおり、児童の安全を見守っている。中本雅彦校長は「みまもり隊が結成され、大変心強い。ありがたく思っている」と話した。

発足式であいさつする金田隊長㊨

発足式であいさつする金田隊長㊨