大工の「伝統構法」をユネスコ文化遺産に

日本の伝統的な大工技術「伝統構法」を、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録することを目指し、岩出市の建築に携わる2人が7日、日本ユネスコ運動全国大会の会場となった和歌山市民会館で来場者にアピールした。

伝統構法とは、大工や左官が受け継いできた、日本の伝統的な木造建物の建て方の総称。民家や町屋、数寄屋や社寺などもこの構法で造られ、職人の知恵と手仕事の技が集積されている。

昨年末に建築の専門家らにより、伝統木造技術文化遺産準備会が京都市に発足。3月にはキックオフ・フォーラムが開かれるなど、全国的な広がりを見せつつあるという。

この日呼び掛けたのは、古民家の再生などに取り組む㈱宮本工務店の代表・宮本晴生さん(68)と、県建築士会那賀支部長で、大前一級建築設計事務所の大前高志さん(65)。

2人は「伝統構法を無形文化遺産に!」とプリントされたそろいのTシャツでPR。出席した関係者らにパンフレットを手渡し「大工や左官、建具や畳職人らも関係する技術です」「応援よろしくお願いします」などと声を掛けていた。

宮本さんは「古くからの伝統技術を持っている大工も多く、それらの技術を残していくためにもぜひ登録を目指したい。活動はまだ始まったばかり。多くの人に知ってもらうことが第一」と話していた。

関係者に伝統構法を紹介する宮本さん㊨と大前さん

関係者に伝統構法を紹介する宮本さん㊨と大前さん