猫の殺処分ゼロ目指して 県が条例改正へ
苦情が多い野良猫の増加を抑え、殺処分数を減らそうと、県は「飼い猫への名札などの装着を義務化する」「不妊去勢手術を行った野良猫を地域で飼う」など、全国初の内容を盛り込んだ県動物愛護管理条例の改正を検討している。9月7日まで、改正案に対する県民の意見を募集している。
県の猫の殺処分数(平成25年)は、人口10万人当たり257・5匹(総数2521匹)で、4年連続、全国ワースト4位となっている。
現行の法令では、不適正な飼い方をしている飼い主や、無秩序な野良猫への餌やりに対する実効性のある規定がなく、そういった状況を改善するために条例を一部改正する。
改正案では、飼い猫(生後90日以内は除く)に名札などを装着し、飼い主を明示することを義務化。基本的に室内で飼い、屋外で飼う場合は不妊去勢手術などの繁殖防止措置を努力義務とする。
野良猫への餌やりは禁止。餌やりなどの世話をする場合は「地域猫」として届け出を義務付ける。届けた猫には不妊去勢手術と、手術済みであることが第三者に分かるように処置(耳先カット)を施すこととする。猫のトイレ設置なども義務付け、餌を与える場所やトイレ周辺の清掃を努力義務とする。
違反者に対しては勧告、命令を行い、指導に従わない場合は5万円を上限に罰金を徴収する。
仁坂吉伸知事は「究極的には殺処分ゼロを目指したい」と話し、改正案は早ければ12月県議会に提案する方針。
改正案の資料は食品・生活衛生課ホームページ(http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/031600/80_doubutsu/neko.html)でダウンロードできる他、県庁の県情報公開コーナー、同課、各県立保健所の衛生環境課、動物愛護センターで閲覧できる。
意見の受け付けは郵送、ファクス、メールのいずれかで行い、電話は不可。問い合わせは食品・生活衛生課(℡073・441・2624)まで。