安保関連法への抗議継続 市民団体ら声明

安全保障関連法が19日に可決・成立したことに対し、反対運動を続けてきた民間団体から抗議の声明などが続々と発表されており、各団体は同法の採決を強行した政府・与党への批判を強め、同法の廃止を求めて今後も活動を継続するとしている。

憲法9条を守るわかやま弁護士の会と9条ネットわかやまは連名で、安全保障関連法案の廃案を求める和歌山大学有志の会、安保関連法案に反対するママの会@わかやまはそれぞれ声明文を発表し、他団体メンバーを含め19日に和歌山市内で合同の記者会見を開催。「法律の廃止を求め、これからも粘り強く活動していく」と宣言した。

声明文では「集団的自衛権の行使は憲法9条に反して行使できないという、これまでの政府が一貫してとってきた憲法解釈を一内閣の独断で変更するものであって、それは憲法9条に反する」などと訴えている。

同弁護士の会と9条ネットの世話人代表、藤井幹雄弁護士は「まともな憲法学者で、これを護憲と言っている人は一人もいない」とし「明らかに憲法違反で無効。違憲訴訟などで訴えていきたい」と話した。

和大有志の会の越野章史事務局長は「国民の声を聞かず単に多数決だけで押し切り、民主主義が踏みにじられた」と述べ、今後も運動の輪を広げ廃止に追い込みたいとする。

小学生2人の母親で、国会前の抗議活動にも参加したママの会@わかやまの松永久視子さんも「武力行使でない方向で、国際貢献できる道が日本にはきっとあるはず。子どもたちが将来、必要のない戦争に巻き込まれるかもしれず、廃止を諦めるわけにはいかない」と涙ながらに訴えた。

和歌山市を拠点に活動する「守ろう9条 紀の川 市民の会」(原通範代表)は20日に抗議声明を発表。同法を「戦後70年間、戦争でひとりの外国人も殺さず、ひとりの日本人の戦死者も出すこともなかった、世界に冠たる『平和国家・日本』を保障している憲法9条を根底から破壊するもの」と厳しく批判した。

安全保障関連法の成立に抗議し会見するメンバー

安全保障関連法の成立に抗議し会見するメンバー