多くの来場者でにぎわう和歌山県ブース(香港)
きょうから11月。秋が深まる季節になり、県内各地で「実りの秋」を迎えている。地産地消で「食欲の秋」を楽しむのもよし。県産品の魅力にふれられる絶好の季節だ。
昨今、それらの魅力を海外へ発信する取り組みが行われている。香港在住の神野翔さんからのリポートを紹介したい (次田尚弘)
8月13日~17日に香港で開催された「Food Expo 2015」に和歌山県ブースが登場。多くの訪問客に県産品の魅力を発信した。
この催しは、毎年香港政府が主催する、香港最大にしてアジア最大級の国際食品見本市。中国、東南アジア、欧米など世界の選りすぐりの「食」が集まり、世界各地から約50万人が来場する。
和歌山県は、日本国内で唯一、香港政府と経済連携の覚書を締結する都道府県。他自治体のブースが所狭しと並ぶ中、和歌山県は広い面積を確保。
ことしは県内から5社が出展。海外バイヤーとの商談の場にもなるため、企業にとっては海外の販路開拓のチャンスとなる。ことしで4回目という伊藤農園(有田市)の伊藤彰浩さんは「バイヤーや訪問客の反応が例年以上に良かった。はじめは何もないところからスタートしたが、年々現地とのパイプが太くなっている」と手応えを感じていた。
目利きの厳しい香港において、和歌山の知名度と商品の質の高さで多数のバイヤーと訪問客を引きつけた和歌山県ブース。国内外の競合がひしめく中、潜在的な競争力を見せつけた格好だ。地域資源の海外展開について議論が高まる中、出展企業にとっては確かな感触を得られたに違いない。県産品のこれからの海外進出に期待したい。
(神野翔/香港)