西和佐小のけん玉先生 全日本大会V
和歌山市栗栖の市立西和佐小学校教諭の向井智哉さん(29)が、先月愛知県で開かれた「第11回全日本けん玉パフォーマンス大会」(日本けん玉協会主催)で見事優勝した。
向井さんは、大学4回生の時に野球部を引退してから本格的にけん玉を始め、2カ月後に初段を取った。
その後も技を磨き続け、初段から1年5カ月で6段まで昇りつめた。
平成23年、けん玉の大皿から中皿に玉を移動させ続ける大会「全日本けん玉もしかめ選手権大会」一般の部で優勝(8時間で8万4000回)し、巨大けん玉トロフィーを獲得。同25年にはフランスで開かれた「ヨーロッパけん玉オープン」で3連覇を達成している。
全日本けん玉パフォーマンス大会は毎年開かれ、ことしは14組参加。審査員10人を前に3分間で演技を披露し、「技術的なすごさ」「楽しさ」「創造的な素晴らしさ」の3項目で採点された。向井さんは「世界大会は日本の強い選手が出ていないので、日本大会の方が個人的には難しい」という。
大会にはMサイズのけん玉3本と、Lサイズのけん玉1本で臨んだ。観客を楽しませることが点数に関係するため、曲に合わせて演技することにし、歌詞と技を合わせた。
けん玉の玉を足に乗せて蹴り上げ、大皿で受け取る「キックアップ」から始まり、観客の手拍子を受けながらけんを2本使い、玉3つをジャグリングする「大皿カスケイド」などを披露した。前半は少し失敗したものの後半は立て直し、約50種類の技を行った。
曲の最後には、2年前から毎日練習を積み重ねてきた大技「あごバランス」を披露。顎の上にけんを3本つなげて玉を乗せ、10秒間バランスを取り、玉を落として大皿で受け、けんに刺した。見事成功すると観客から拍手が沸き起こった。
向井さんは「観客が自分が思ったように喜んでくれて、後半は安心して演技できた」と振り返り、「学校の児童にも優勝すると言って大会に出場したので、有言実行することができました」と笑顔で話した。