近畿初の道路啓開協議会 津波災害に備えて
南海トラフ地震の津波による大規模な道路災害に備え、近畿地方では初となる「道路啓開協議会」が20日、津波浸水が想定される県内沿岸市町など32団体で発足した。災害時の救援・救護、救出活動に必要になる緊急輸送道路の通行を迅速に確保するため、「啓開計画」の本年度中の策定などを目指す。
国、県、浸水想定域の市町、自衛隊、警察、ネクスコ西日本、関西電力、NTT、県建設業協会、県測量設計業協会で構成。設立連絡会議と第1回協議会が和歌山市西汀丁の県書道資料館で開かれ、約70人が参加した。
近畿地方整備局が中心になってまとめた規約案や計画案、道の駅の防災利用、今後の進め方について審議した。今後2回の協議会を通して計画を策定する。
会長に就任した和歌山河川国道事務所の寺沢直樹所長は、「東日本大震災の時と違い、南海トラフ地震は発生後数分で津波が沿岸に到達すると想定され、対応にスピード感が求められる。計画に基づいて実際に動けるかどうか、具体的なイメージを持って検討を進めたい」とあいさつした。
計画策定後は各地域でそれぞれに応じた行動指針の策定を進める。