水軒・和歌浦が県内初「みなとオアシス」に

地域活性化の核となる港湾エリアを登録する国土交通省の制度「みなとオアシス」に、県内で初めて和歌山市の和歌山下津港一帯が登録された。市は今後、大型クルーズ客船が入港する西浜岸壁などがある水軒ゾーンと、国指定名勝「和歌浦」の景観などがある和歌浦湾ゾーンで、それぞれの特色を生かした活性化につなげていく。17日午後、市役所で登録証の授与式が行われた。

市と近畿地方整備局によると、地域住民の交流や観光振興を通じて地域の活性化に資する「みなと」を核としたまちづくりを促進するために創設された制度。港湾管理者などからの申請に基づき、国交省が認定している。今回登録された「みなとオアシス和歌山」は全国で86カ所目、近畿では7カ所目。直近ではことし10月、和歌山市に隣接する大阪府岬町の「みなとオアシスみさき」が登録されている。

「みなとオアシス和歌山」の水軒ゾーンは、大型クルーズ客船が入港できる岸壁を備え、観光市場化に向けてリニューアルを計画している市中央卸売市場、都市公園として整備を進めている水軒公園などで観光客の受け皿としての機能を確保。みなとオアシスの玄関となる南海フェリーターミナル、南海和歌山港駅とも連携している。

和歌浦湾ゾーンには、近畿最大の干潟「和歌浦干潟」をはじめ万葉集に詠まれた景勝地を有し、マリンスポーツも盛んな片男波、浜の宮海水浴場、浪早ビーチには一年を通じて観光客が訪れる。テーマパークやホテルなどの施設を備えた和歌山マリーナシティは、海辺の空間を生かした滞留ゾーンとなっている。

市は今後、両エリアの一層の活性化を図っていく。担当の河川港湾課は「今後、エリア内で外国人観光客の要望が高い、WiーFi(無線LANスポット)の設置や、各登録地で競うSea級グルメ全国大会、住民参加型のイベントなどを展開して盛り上げていきたい」と話している。

「みなとオアシス和歌山」のエリア

「みなとオアシス和歌山」のエリア