ウミガメの魅力に触れられる 三重県南牟婁郡紀宝町

前号では、5月に伊勢市で開催される「伊勢志摩サミット」について取り上げた。伊勢神宮と熊野速玉大社を結ぶ「熊野古道・伊勢路」は、今後、サミットを通じ国内外から注目されるだろう。今号より伊勢路沿いの市町村とその周辺の魅力について紹介していく。

三重県との県境、熊野川に架かる国道42号・熊野大橋を渡ると三重県紀宝(きほう)町。紀宝町は人口約1万1千人の町。三重県の最も南に位置する南牟婁郡に属する。

熊野大橋を渡り、国道42号(旧道)を進むとまもなく製紙工場が見えてくる。この地域はかねてより製紙業が盛ん。また、かんきつ系の果物の生産も行われ、レモンとオレンジを掛け合わせた「マイヤーレモン」の主要な産地となっている。

ぜひ立ち寄りたいところが、国道42号沿いに位置する「道の駅紀宝町ウミガメ公園」。紀宝町はウミガメが産卵に来る町としても知られ、同公園はウミガメの保護・啓発活動の拠点として親しまれている。

同公園には実際にウミガメを観察できる「資料館・飼育棟」がある。大小2つの円形のプールがあり、それぞれにアカウミガメやアオウミガメを間近で見ることができる。また、ウミガメの生態を紹介する展示ブースもありお子さんやお孫さんと訪れるのもお薦め。

併設する物産館では、地元で収穫された農作物や海産物が販売されている。筆者が訪れた頃はミカンが豊富なシーズンで大勢の客が買い求めていた。同館3階には展望テラスがあり、ウミガメが産卵に来る「七里御浜」と太平洋の大海原を一望できる。いずれの館も入館料は無料。

海・山・川の恵みを受ける豊かな町、紀宝町を訪ねてみては。

紀宝町ウミガメ公園

紀宝町ウミガメ公園

(次田尚弘/紀宝町)