前年比大幅減 岩出署管内の27年刑法犯

 岩出署は平成27年中の刑法犯認知状況についてまとめた。認知件数は前年比159件減の904件で、大幅に事件の発生を抑止。一方で、殺人や強盗、強制わいせつなどの凶悪事件は前年比1件減の11件とほぼ横ばい状態だった。

 同署では、犯罪を抑止しようと、定期的にスーパーなどで注意を呼び掛けるチラシを、無施錠自転車の目立つ駅前などでは鍵を配布。パトロールでの不審者への職務質問にも積極的に取り組み、犯罪を未然に防ぐ取り組みを続けてきた。

 同署は特に、住民の身近に起こる事件である侵入窃盗について警鐘を鳴らしている。留守宅や就寝中の家などに忍び込み、金品を盗む事件は昨年中に73件認知。うち29件が施錠していない玄関や勝手口、窓から侵入される被害だった。

 旧町単位でみると、岩出が23件(うち無施錠9件)、打田が17件(同5件)、貴志川が11件(同7件)、粉河が11件(同3件)、那賀が8件(同2件)、桃山が3件(同3件)。昨年末から年始にかけて、貴志川で3件、那賀で1件の被害が連続的に発生し、いずれも戸締まりが不完全な状態だった。

 空き巣被害を未然に防ぐ対策として、家を留守にする時はきちんと戸締まりをする▽寝る時も戸締まりをする▽家の中に大金を置いたり、財布やかばんを床や机などに無造作に置かない▽会社の事務所や商店にはなるべく現金を置かない▽玄関や出入り口、勝手口にセンサーライトや防犯カメラを設置する――などを挙げ、注意を呼び掛けている。

 また、管内で発生している事件について情報を発信する電子メールの登録も推進している。携帯電話から空メール(touroku-m@kisyuukun-ml.police.pref.wakayama.lg.jp)を送信し、説明画面に従って登録する。

 担当課は「犯罪のないまちをつくるため、防犯を心掛けてほしい」と話している。

小学生殺害事件で行われた深夜の家宅捜索(昨年2月)

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