遠隔医療の取り組み推進へ 医大で講演会

医師が情報通信機器を使って離れた場所から診療を行う「遠隔医療」について理解を深めようと、和歌山地域医療マネジメント研究会の学術講演会が20日、和歌山市紀三井寺の県立医科大学で開かれた。

同研究会は県の地域医療に関する問題点や課題について考えようと、医師や医療行政担当者らで平成25年度に発足。この日は55人が参加し、日本遠隔医療学会常務理事の長谷川高志氏が遠隔医療の現状、旭川医科大学特任教授の守屋潔氏が北海道での実際の取り組み事例を話した。

守屋氏は専門医が少なく、土地が広大な北海道の特性から遠隔医療の必要性を話し、実際にインターネットのテレビ会議システムを使って医師が患者を診察している様子などを動画で紹介。遠隔医療を行うことで、20%の症例が専門医がいる病院まで搬送不要になり、コスト削減や診断までの時間短縮につながっていることを説明した。

県立医大地域医療支援センターでは26年7月から「遠隔外来」の運用を開始。最寄りの医療機関に居ながら、モニターを通して同大付属病院の専門医のアドバイスを受けられるようになっている。27年度には実施枠を14診療科26専門外来に拡大している。

遠隔医療の現状や実際の取り組みを学んだ

遠隔医療の現状や実際の取り組みを学んだ