「どうせ無理」をなくそう 植松さん講演

高校生5人でつくる〝どうせ無理〟をなくしたいinNAGA実行委員会(東詩歩実行委員長)は2日、県立那賀高校(岩出市高塚)で、わずか18人の町工場で経験ゼロからロケット開発を成し遂げた㈱植松電機(北海道赤平市)の植松努専務取締役を招き、講演会を開いた。

同実行委は、同校3人、貴志川高校1人、粉河高校1人の男女5人で構成。昨年11月、和歌山市で開かれた植松さんの講演会に足を運んだ東委員長(18)が、講演の内容に感銘を受け、周囲にも聞いてもらおうと、植松さんを招いた講演を計画。企業などに協賛金を募り、ボランティアの協力を得て会場の準備なども手掛け、実現させた。

植松さんは北海道芦別市に生まれ、航空機設計会社を経て父親が経営する同社に入社。平成16年、「カムイ式ロケット」の研究を進めていた北海道大学大学院の永田晴紀教授と出会い、夢であったロケット開発の協力を約束。その後、人工衛星やカムイ式ロケットの打ち上げに成功している。

講演には約450人が足を運んだ。植松さんは「自分の未来を過去の常識で諦めないで。思うは招く」と夢を持ち続けることの大切さを強調。「憧れ」は未来を明るくし、人を成長させるパワーであるとし、「人間にはものすごい可能性がある。憧れることをやめなければ、自分では想像のつかないほど素敵な人間になれる」と語り掛けた。

また、「どうせ無理」という言葉について、「人の自信と可能性を奪う最悪の言葉だ」と力説。「『だったらこうしてみたら?』で夢はかなう。一回しかない人生。みんなで力を合わせていい未来をつくろう」と呼び掛けた。

講演会を終え、東委員長は「多くの仲間や地域の人に助けられ、財産になった。これからも新しいことに挑戦したい」と話していた。

講演する植松さん

講演する植松さん