特定不妊治療の負担3割へ 県が助成拡充
県は新年度、特に力を入れる少子化対策の一つとして、特定不妊治療の助成制度を大幅に拡充する。現行の自己負担7割から、新制度では3割を目指す。新年度当初予算に事業費約1億2100万円(前年度当初約7900万円)を計上している。
特定不妊治療は、不妊治療のうち「体外受精」と「顕微授精」を指す。顕微授精は体外受精の手法の一つで、体外に取り出した精子1個を直接卵子に注入するもの。精子が極度に少ない場合などに行われる。
県健康推進課によると、治療費を50万円と想定した場合、現行制度では国・県が7万5000円ずつ計15万円(3割)を助成し、残り7割(35万円)が自己負担となっている。
新制度では自己負担3割(15万円)を目指し、初回の助成額を国・県合わせて30万円に倍増させるとともに、市町村に5万円の上乗せ助成を要請する。
2回目以降も自己負担が3割に収まるよう、国・県で合わせて25万円の助成額を確保(国・県が7万5000円ずつ、そこに県が10万円上乗せ)し、市町村に10万円の上乗せ助成を要請する。
助成制度の利用申請は年々増加傾向にあり、平成26年度は約400件(和歌山市除く)の申請があった。新制度の導入により2割程度の増加を見込んでいるという。