統計局の県内移転へ 5~7月に実証実験
総務省統計局は15日、県内への移転を検討する「統計データ利活用に関する業務の地方実施」について、5~7月に実証実験を行うと発表した。情報通信技術(ICT)の活用などを図りつつ、地域のユーザー、研究者、データサイエンスに関する蓄積との連携、人材確保、利便性などを検証する。
統計データ利活用とは、調査で得たデータを統計票の作成以外に二次利用すること。例えば、自治体が地域の年齢別人口のデータを活用して高齢者施策の検討を行える。
実証実験のスケジュールは、5月に利活用に関する有識者会議を開催。県や近畿圏の統計有識者から利活用に関する課題や方策などを聞き取る。6月には全都道府県が参加する全国規模の研修会を県内で開く。
7月には、統計センターのデータにインターネットでアクセスして集計・分析などを行う「オンサイト施設」を模擬的に設置し、利活用実験を実施。近畿圏での利活用の展望や、県のデータサイエンスに関する取り組みなどをテーマにしたシンポジウムも同局・県で共催する。
国の実証実験に合わせ、県は「県統計大会」を5月16日、和歌山市の和歌山ビッグ愛で開催。統計調査員への感謝状の贈呈や講演などを予定している。
国は8月末までに移転の可否について結論を出す方針を示している。発表を受けて会見した県は「実証実験で県としての受け入れ体制、協力体制が十分に行われるということをきちんと示し、利活用の中でも、できるだけ多くの部分が和歌山に来てもらえるようにしたい。(移転が実現すれば)大学、産業などに波及効果をもたらし、非常に有益なことだ」と話した。