健康寿命アップ目指し 医大研究者らNPO
生活習慣病の予防に向け、地域の福祉と健康の増進を目指すNPO法人「ヘルスプロモーション研究センター」が、県立医科大学の医師、研究者らを中心に設立された。22日、和歌山市三葛の同大保健看護学部大講堂で発足記念講演会があり、約80人が熱心に聴いた。
同NPOは同大名誉教授の有田幹雄さんを中心に、2月に発足。県民の健康維持増進を目的に、同大と連携しながら、子どもたちの健全な発育をサポートし、高齢者の認知症予防、高血圧や脳卒中、がんを含めた生活習慣病の予防、県産の梅や柿を使った機能性食品の開発事業などに取り組んでいく。
講演会を前に、理事長の有田さんは「目標は寝たきりや認知症を半減させること。和歌山県は健診率ワースト5。さらには高血圧の人が日本で一番多い県ともいわれる。塩分を減らした食生活、運動をしっかりするなど、生活習慣を整えることで県民の健康寿命を延ばしたい」とあいさつ。
続いて、同センター顧問の武田眞太郎さんが「生涯にわたって社会参加できる健康な生き方を考える」をテーマに講演。時代とともに変わる健康課題や、主要死因の推移などを統計で紹介。疾病の発病要因について「若い頃の食生活や生活習慣のつけが、年をとってからの発病につながる」とし、病気の発生を防ぐ一次予防や、早期発見・治療の二次予防の取り組みの重要性を訴えた。
また、同センター副理事長の中谷吉隆さんが、地域と連携し、自治体の課題にも共同で取り組むなど、今後の活動案を紹介。特に、効果の検証に力を入れたいとし、「地域の知恵と行政の取り組みを最大限に生かせるようにしたい。効果を検証し、フィードバックできる仕組みをつくり、健康寿命の延伸につながれば」と展望を語った。